最近読んだ記事で、ちょっと気になるニュースがあったんですよね。
アメリカの連邦裁判所が、Perplexityという会社のAIブラウザ「Comet」に対して、Amazonのサイトへのアクセスを一時的に禁止する仮処分命令を出したんです。
Cometって何をしてたのか
PerplexityのCometというAIブラウザ、ユーザーが「Amazonでこの商品を買って」と言うと、AIが代わりにAmazonにログインして商品を探して購入してくれる、というものです。便利っちゃ便利なんですけど、Amazonからすると完全にNGだったわけで。
Amazonが問題にしたのは主に2点。
1. 不正アクセスの問題
CometのAIエージェントがAmazonの利用規約に反して、パスワード保護されたユーザーアカウント内に侵入していたこと。
2. 広告ビジネスへの影響
これが個人的にすごく興味深かったんですよね。AIエージェントは「広告バナーを見ない」んです。人間のユーザーがAmazonを閲覧すると、ページ上の広告インプレッションが発生して広告主に課金される。でもAIが代わりに操作すると、その広告を「見ている」のはAIであってユーザーではない。Amazonは広告主に「人間が見たインプレッションにしか課金しない」という契約をしているので、AIトラフィックを検出・除外するための追加開発コストが発生してしまう。
ECプラットフォームの「囲い込み戦略」が加速している
Amazonはすでに、ChatGPT(OpenAI)を含む数十のAIエージェントを自社サイトからブロックしているそうです。その一方で、自社の買い物AIアシスタント「Rufus」の開発には積極投資している。
これ、構図がはっきりしていますよね。「外から来るAIは締め出して、自社のAIで囲い込む」という戦略です。
EC出品者にとって何が変わるか
私が気にするのは、「Amazonに出品しているEC事業者にとって、この動きはどう影響するか」という点です。
正直、今すぐ何かが変わるわけではないと思います。でも、少し先を見ると:
AIエージェント経由の流入が「どう扱われるか」はグレーゾーン
将来的に、ユーザーがAIに「いい商品を探して」と頼んで購入するケースが増えたとして、その流入がAmazonのアルゴリズムにどう評価されるのかは未知数です。SEOと似たような「AIエージェント最適化」みたいな概念が出てくるかもしれないし、プラットフォームが独自のAI購買フローを整備して、そこに乗れないと埋もれてしまうかもしれない。
広告の意味が変わってくる
AIがユーザーの代わりに商品を選ぶようになれば、「人間の目に届くバナー広告」の価値は相対的に下がります。Amazonがそれをどう再設計するか。出品者側も「AI時代の集客」を考え始める必要があると思います。
Perplexityの主張も面白い
Perplexityは「ユーザーが使いたいAIを選ぶ権利を守るために戦い続ける」と言っています。この言い方、なかなかうまいなと。プラットフォームの話ではなく「ユーザーの権利」にフレームを移している。
実際、消費者から見れば「AIに代わりに買い物してもらえる」のは便利ですよね。ただ、今のEC構造がそれを想定して作られていないので、摩擦が起きているわけで。
まとめ
「AIエージェントが代わりに買い物する」という世界は、確実に来ると思います。でも今はまだ、プラットフォームと外部AIの間で権限をどこまで認めるかのルール作りが始まったばかりの段階。EC事業者としては、Amazonの動向をしっかり追いながら、プラットフォームに依存しすぎない集客・販売チャネルのことも、頭の片隅に置いておく必要があるかなと感じています。
著者:SHINJI