Microsoftが「1つのCopilot」に賭ける理由
Build 2026の開幕を目前に控えた5月末、Microsoftの次期Copilotアプリのスクリーンショットがリークされました。内部スローガンは「Delivering one Copilot」。ここ数か月、AI各社が「1つのアプリに全機能を集約する」流れを強めていますが、Microsoftもいよいよその方向に大きく舵を切ろうとしています。
リーク画像が示す3つの柱
今回流出した画像から、新しいCopilotアプリは大きく3つのタブで構成されることがわかりました。
まずGitHub Copilotのコーディングタブです。ワークツリーの選択、ローカルとリモート両方のリポジトリへの接続、モデルセレクター、そして「Routines」と呼ばれるスケジュールタスク機能を備えています。すでにGitHub Copilotに課金しているチームにとっては、開発環境がそのまま統合アプリの中に入ってくる形です。Microsoft独自のコーディングモデルがGitHub Copilot専用にチューニングされて投入される可能性もあり、ここは要注目だと思います。
次にCoworkタブです。カレンダーやドキュメント、プレゼンテーションなど複数のデータソースを横断して情報を集め、「今週の準備をする」「取引先を調べる」といったプロンプトを自動提案してくれます。仕事の段取りを先回りして整えてくれるアシスタントのようなイメージです。LibraryとProjectsというサイドバーで、通常のチャットやコーディングとは分離して管理できるのも特徴的です。
そして3つ目がScoutです。常駐型のAIエージェントとして裏で動き続け、Teamsとの統合によってリモート実行も可能になるようです。「自分が寝ている間もエージェントが仕事を進めている」という、いわゆるバックグラウンド・エージェントの世界観がここに反映されています。
なぜ今このタイミングなのか
背景にあるのはCopilotの採用率の伸び悩みです。Microsoftは最近リーダー交代も行い、Jacob Andreou氏がCopilot事業の責任者に就任しました。GitHub Copilot、Microsoft 365 Copilot、Bing Copilotといった機能がバラバラに散らばっていた状態を1つのホームに集約し、利用率を底上げしようという戦略です。
この流れはMicrosoftだけの話ではありません。OpenAIもAnthropicも、常駐型でマルチモードなアプリの方向に収れんしつつあります。「専用ツールの寄せ集め」から「1つの万能AIアプリ」へ。業界全体がその方向に動いているのです。
個人的に気になるポイント
私が特に注目しているのは、Coworkタブがローカルファイルにアクセスできるかどうかです。リーク画像ではEdgeブラウザ上のURL経由で動作しているように見えたため、デスクトップのファイルに直接触れるのか、完全にクラウド側で動くのかはまだわかりません。ここが「便利だけど限定的なブラウザアプリ」と「本当にデスクトップを丸ごと任せられるAI」の分かれ目になると思います。
正式発表は本日6月2日開幕のBuild 2026で行われる見込みですが、アプリ自体の一般提供は夏後半になるとのこと。コード・仕事・エージェントを1つのアプリに統合するというMicrosoftの賭けが、AI戦争の勢力図をどう変えるのか。引き続きウォッチしていきたいと思います。
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